20200529 Google Classroomの運用に暗雲立ち込める!
5月が終わり,青陵短大や新潟大学でのオンライン授業はそれぞれ第4回や第6回が終わった。こちらは遠隔での授業形態にだいぶ慣れてきたが,さてさて学生はどうだろうか。こんなものだと慣れてきている面もあるだろうが,そうした中で新たな操作や方法を伝えると,それに対する対応が難しそうである。こんな場合,対面ならばその場で色々とサポートができるのだが,オンラインの場合はパソコンの操作はほぼ学生任せである。オンラインのその場でトラブルが起きれば対処できるが,自分で個人作業を進めている際に起きるトラブルについては,正直言って対処のしようがない。そこがもどかしいところである。
青陵短大ではGoogle Classroomを学生とのやりとりの主な手段として使っている。大学全体としてもそれを推奨しているし,何よりこれを使っている教員が多いので,学生もGoogle Classroomならばある程度やり方がわかっている。そのため,トラブルも少なくて済むわけだ。しかし,Google Classroomであっても,その中の新しい機能を使わせてみると,トラブルに見舞われて対処が難しいことが起きてしまう。私の授業でそれが起こってしまった。
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学生に授業後のふりかえりを書かせている。これを,第1回目はGoogleドキュメントで用紙を作成し,個々に配信して書かせ,提出させていた。しかし,この方法では他人のふりかえりを読むことができない。そこで,上教大の阿部隆幸さんから教えてもらった,Googleスライドを使って学生一人ひとりにスライド1枚を割り当て,このファイル全体を共同編集設定にして,自分のふりかえりを書かせるとともに,友人のふりかえりを読んでコメントをさせるようにしたのだ。これは,インターフェイス的には秀逸だと思った。ちょうどカード1枚を学生1人に割り当てているような感じが出て,カードを繰って他の学生のふりかえりを探すようなものだった。なかなか良いなぁ,と喜んでいた。
ところが,共同編集設定にしていたことが仇になった。学生が他者のふりかえりスライドを消してしまったのだ。おそらく誤操作によるものだろう。しかし,書き終えた学生にとってはたまったものではない。せっかく自分のふりかえりを書き終え,しばらくしてから他人のふりかえりにコメントしようと思って開いてみたら,自分のふりかえりが消えているのだ。ショックは大きいだろう。そうしたことが連発したので,次の週にはくれぐれも操作を慎重にするようにと,消してしまった際の取り消し操作を伝えた。これで大丈夫だろうと思っていたのに,件数としては減ったものの,再び同じことが起こってしまったのである。しかも,同じ学生のものが消されてしまっていた。うーん,これは何か意図的なものを感じるよなぁ。
ということで,他の教員からのヒントも得て,Googleスライドを使ったこの方法は取りやめにして,「質問」形式を使った方法に切り替えた。これならば,他の学生が内容を変えることも消してしまうこともできない。内容を修正できるのは本人だけである。そして,スライド使用時に学生から質問が連発された「提出」操作についても,この方法ならば必須である。つまり,他の授業でおそらくは行っているであろう方法と同じである。これでトラブルは抑えられるだろう。
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Google Classroomの良いところは共同編集ができることである。Google Classroomはそもそも,共同編集することを前提にしてサービスを提供していると思われる。よって,共同編集の機能を使いたいし,学生もこれを使いこなしてほしい。しかし,まだパソコン操作に慣れていないのだろう,時期尚早だったようだ。
しかし,そうするとScrapboxのプライベート・プロジェクトなんて,彼らには使わせられないなぁ。作成させたページが消されてしまったら,もうとんでもないことになる。Scrapboxを使うのが私の授業の基本スタイルなのだが,残念な理由から見直しを迫られている。